N.I.が東京支店から東北支店に異動したのは、大震災から1年後の2012年4月のこと。
「食品関連と物流倉庫は、かなり早い段階から復旧してきています。しかし、被害の大きかった石巻市や女川町のように転居先がまだ決まらないところもあり、復興は遅れているように思います」
東北支店には、復興に関連して庁舎・学校、宿舎、店舗など、さまざまな仕事が入る。
「口にこそされませんが、お客様の中には被害に遭われた方もいらっしゃいます。その痛みをしっかり受け止めて、お役に立つこと。その思いがモチベーションにもなっています」
「もう一つ配慮しているのが、地元にお金を残すということ。地元企業から優先して仕入れたり、ときには、うちが下請けになることもあります。そうすることで地域が潤い、街の活性化にもつながります」
経験のない現場でも、やり繰りしていくうち、「この仕事もできなくはない」と自信がついたという。
「復興はまだ終わっていません。被災した人たちの暮らしを取り戻すために、当社は何ができるのか。それが原点であり、東北支店の仕事なんです」